個人開発の静的サイトはどこに置く?Vercel/Cloudflare/ConoHa比較 2026
個人開発の静的サイトはどこに置く?Vercel/Cloudflare/ConoHa比較 2026
個人開発・受託・副業でWebサイトを作る人が、静的サイトやJamstack構成をどこにホスティングするかを比較します。対象は Vercel、Cloudflare Pages、Netlify、ConoHa WING の4つです。
先に結論を出します。選択は「Vercel一択」ではなく、商用利用の可否・無料枠の帯域上限の挙動・決済通貨の3軸で割れます。用途を3つに分けると判断が速くなります。
- 非商用の個人サイトやポートフォリオ → Cloudflare Pages
- 広告やアフィリエイトを載せる商用の静的サイト → Vercel Pro か Cloudflare Pages
- 日本語サポートと円建て決済、WordPress混在を重視 → ConoHa WING
本記事は各社の公式料金ページ(2026年5月22日に実際に確認・スクリーンショット添付)、公式ドキュメント、G2・国内口コミなどの第三者評価をもとにした分析です。特定環境での長期運用レビューではなく、選定基準の整理を目的としています。
価格と公式情報の比較
各サービスの現行料金です。いずれも公式の価格ページを参照しています(2026年5月時点)。
| サービス | 無料枠 | 有料プランの目安 | 決済通貨 | 公式情報 |
|---|---|---|---|---|
| Vercel | Hobby 無料(非商用限定・帯域100GB/月) | Pro $20/開発者・月(帯域1TB込み) | USD | 出典: vercel.com/pricing |
| Cloudflare Pages | 無料(ビルド500回/月・帯域無制限) | Workers Paid $5/月〜(Workers増強・従量時) | USD | 出典: cloudflare.com |
| Netlify | Free(帯域100GB/月・ビルド300分) | Starter $19/メンバー・月(年払い$15) | USD | 出典: netlify.com/pricing |
| ConoHa WING | なし(WINGパック長期で割引) | 12ヶ月 941円/月・最安678円/月 | JPY | 出典: conoha.jp |
ConoHa WINGはベーシック通常料金が月1,452円(税込)ですが、WINGパックの長期契約で12ヶ月941円/月、24ヶ月889円/月まで下がり、永久無料の独自ドメインが2個付きます。円建てで請求が完結し、申し込み時に為替やUSD決済を気にしなくて済みます。
機能面の比較を整理します。
| 観点 | Vercel | Cloudflare Pages | Netlify | ConoHa WING |
|---|---|---|---|---|
| 商用利用(無料枠) | 不可 | 可 | 可 | 該当なし(全プラン可) |
| 無料枠の帯域 | 100GB/月 | 無制限 | 100GB/月 | — |
| 上限超過時の挙動 | 新規デプロイ・Function停止 | upgrade要請のみ・遮断なし | 当月末までサイト停止 | — |
| サポート言語 | 英語 | 英語 | 英語 | 日本語 |
| WordPress混在 | 不向き | 不向き | 不向き | 可 |
見落とされがちな3つの落とし穴
公式の数字だけ並べると見えてこない、運用で効く差を3つ挙げます。日本語の比較記事ではあまり触れられていない点です。
1. Vercel Hobbyは非商用限定
Vercelの無料プラン(Hobby)は非商用利用に限定されています。広告やアフィリエイトリンクを設置した収益サイトはHobbyの利用規約に反し、実質的にPro($20/開発者・月)が必要です。「Vercelは無料で使える」という紹介はポートフォリオや実験用には正しいですが、収益化するサイトではコスト前提が変わります。
2. 無料枠の帯域上限に当たった時の挙動が違う
無料枠は「上限に当たった後どうなるか」で性格が分かれます。Vercel Hobbyは帯域100GBに到達すると新規デプロイとFunction実行が停止し、従量課金での延長はできず請求サイクルのリセットを待ちます。Netlifyの無料枠も上限超過で当月末までサイトが停止します(upgradeで即時復活)。一方Cloudflare Pagesは帯域が無制限で、fair use(公正利用)を超えてもupgrade要請が来るだけでトラフィック遮断や超過課金はしないと明記しています。記事が一時的に伸びた時に落ちるかどうかが分かれます。
3. 日本語サポート・円決済・WordPress混在という現実解
Vercel・Cloudflare・NetlifyはいずれもUIが英語でUSD決済です。技術的な障壁は低いものの、クライアントワークで請求書を円建てで出したい、トラブル時に日本語で問い合わせたい、WordPressと静的サイトを同じ契約で持ちたい、という要件には合いません。ConoHa WINGは日本語サポートと円建て決済を備え、WordPressと静的サイトの混在運用ができます。
各候補のレビュー
Vercel
Next.jsをはじめとするフレームワークとの統合とデプロイ体験(DX)が強みです。Gitにpushすればプレビュー環境が自動生成され、設定はほぼ不要です。非商用の個人開発やポートフォリオなら無料で完結します。商用化する場合はProが前提になる点だけ注意します。
第三者レビューの傾向です。G2では「使いやすさと自動デプロイの速さ」「GitHub連携」を評価する声が多く、Next.js系プロジェクトでの満足度が高い傾向です。一方で不満点として「価格が高く柔軟性に欠ける」「使っていないリソースまで課金される」「コストの可視性が低い」が繰り返し挙がります(出典: G2 Vercel Reviews)。DXは強いがコスト面の評価が割れる、というのが総評です。
DX重視なら第一候補です。ただし収益化すると非商用枠を外れてPro($20)が前提になるため、コスト込みで選ぶツールだと整理できます。

Cloudflare Pages
帯域無制限が最大の特徴です。無料枠でビルド500回/月、1サイト20,000ファイルまで対応し、トラフィックが増えても課金や停止の心配が小さい設計です。静的サイトを長く安定運用したい個人開発者の無難な選択肢です。Workersと組み合わせれば動的処理も足せます。
第三者レビューの傾向です。WAF・DDoS対策・SSLが標準で組み込まれる点、グローバルAnycast網による低遅延、コストの安さが評価されています。不満点としては「ダッシュボードが初心者にはやや難しい」「高度な設定が多く混乱しやすい」、まれに発生する大規模障害への指摘があります(出典: Cloudflare Reviews (Capterra))。機能は強力だが学習コストがある、という評価です。
帯域無制限で上限超過による停止が起きないことが最大の利点です。ダッシュボードの硬さを許容できるなら、個人開発の本命に位置づけられます。

ConoHa WING
国内レンタルサーバーの中では表示速度の評価が高く、日本語の管理画面と円建て決済が揃います。長期契約で月941円から使え、独自ドメインが2個無料で付きます。純粋なJamstack構成というよりは、WordPressと静的サイトを混在させたい、日本語で完結させたい層への現実解です。
国内利用者の口コミ傾向です。WEXALやLiteSpeed LSAPIによる表示速度の速さ、コスパ、初心者の使いやすさを評価する声が多数です。デメリットとしては「サポートが平日10〜18時のみで土日祝は非対応」「返信が遅いという改善要望」「過去にサーバー障害が複数回」「無料お試し期間がない」が挙がります(出典: ConoHa WINGの評判・口コミ (e-エンジニア))。速度とコスパは強いが、サポート体制と試用のしにくさが弱点です。
日本語サポートと円決済が要件なら堅実な選択です。サポートが平日のみで無料お試し期間がない点は、許容できるかを先に判断しておくべきです。

Netlify(参考)
フォーム機能やデプロイプレビューなど静的サイト向けの機能は揃っています。ただし2025年9月以降クレジットベースの課金へ移行し、2026年4月に再改定されました。料金体系の見通しを立てにくくなったため、本記事では収益化対象から外し参考扱いとします。
どれを選ぶか
用途別の結論です。
- ポートフォリオや実験用の非商用サイト → Cloudflare Pages。帯域無制限で上限事故がなく、無料で長く運用できます。
- 広告やアフィリエイトを載せる商用の静的サイト → Vercel Pro(DX最優先)か Cloudflare Pages(コスト最優先)。
- 日本語サポート・円決済・WordPress混在が要る → ConoHa WING。長期契約で月941円からで、国内向けの運用がしやすいです。
迷ったら、まず無料で始められるCloudflare Pagesで運用し、日本語サポートや円決済が必要になった段階でConoHa WINGへ移すのが手戻りの少ない順序です。
FAQ
Q. Vercelの無料プランに広告サイトを置いていいですか。 A. Hobbyは非商用限定です。収益化するならProが前提になります。
Q. 独自ドメインのSSLは無料ですか。 A. 4サービスとも独自ドメインのSSL証明書は無料で発行・自動更新されます。
Q. 国内レンタルサーバーでJamstackは無理ですか。 A. ConoHa WINGでも静的サイトのホスティングは可能です。ただしGit連携の自動デプロイやプレビュー環境はVercel/Cloudflare/Netlifyの方が手間が少ないです。
Q. 後から乗り換えるのは大変ですか。 A. 静的サイトはビルド成果物を移すだけなので比較的容易です。独自ドメインのDNS切り替えとSSL再発行が主な作業になります。
まとめ
「個人開発の静的サイトはどこに置くか」は、商用利用の可否・帯域上限の挙動・決済通貨で決まります。非商用ならCloudflare Pages、商用の静的サイトならVercel ProかCloudflare Pages、日本語と円決済を重視するならConoHa WINGです。自分の運用要件に当てはめて選んでください。